数年前に経験した遺産相続のお話 生涯賃金100万円男のリタイア生活

数年前に経験した遺産相続のお話

2018/05/13

株・お金

「資産が多い・少ない」とか「マイナス資産」などの個人差はあれど、ある程度の年齢になってくると親からの遺産相続を息子・娘という立場で経験されたことがある人はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

僕も数年前に亡くなった父親からの遺産を相続済みでして・・・
父は亡くなる半年前に突然意識を失い、そのままずっと病院のお世話になっていたため遺産相続について父の考えをまったく聞くことなく、僕ひとりで入院時からネットでコツコツ相続について調べておりました。

そして知識ゼロの中で調べていくうちに明るみになる「相続手続きの面倒臭さ」を多少は覚悟していたんですけど・・・
僕が社会的なひきこもり状態であり「人と関わる作業はほとんど母親任せだった」ことを差し引いても、実際に経験してみるとけっこう大変なことばかりでした。

ちなみにここから我が家の遺産相続についてダラダラと書いていきますが、思いっきり勘違いしていることがあるかもしれませんのでその点はご了承ください



定年退職するまでサラリーマンとして働いていた父親を中心にした我が家は「ひと昔前の価値観からすればごく普通の家庭」という感じで、僕が小さい頃から「特に贅沢することなく、かと言って切り詰めて生活するようなこともなく」暮らすことができていました。

なので父の財産に関して「今後遊んで暮らせるお金を相続できそう!」なんて期待は全然ありませんでしたが、実際に「亡くなった時点での銀行や証券会社の残高証明書」を取り寄せるなどして確認をすると・・・
一度も働いたことがない僕の金銭感覚からするととても大きな金額を残してくれたんで、父親のスゴさをあらためて感じると共に素直に申し訳ない気持ちになりましたよ。

具体的な遺産の中身は「貯金・株・自宅」となっているんで年金暮らしをしている僕らの親世代の資産としてはそれほど特別なものではないですし、貯金額も自宅の不動産価値もそこまでたいそうなものではないんですが・・・
厄介なことに数年前に相続税の基礎控除額が引き下げられた※ことで「遺産の大部分を占める土地のおかげ?で合計が基礎控除額付近にまで達してしまう…」という事態になってしまいました。
※現在の基礎控除額は「3000万円+相続人ひとりにつき600万円ずつ加算」
(以前は5000万円+ひとりあたり1000万円)

ただ、自宅の土地については「小規模宅地の特例」という「住んでいる土地なら本来の価値(路線価)の20%で評価してOKですよ。」という救済措置があるので、それを加味すれば相続税を支払うことはないのでホッとひと安心・・・を一瞬したとはいえ、
この小規模宅地の特例は税務署に遺産について申告しないと使えないらしいので、結局はお金持ちではない我が家でまさかの税理士さんのお世話になるハメになりました。

最初は「特例を使えば相続税がかからないんだし、自分で申告しても大丈夫じゃ…」なんてことも考えましたけど、
相続税申告にはとんでもない労力が必要な上に「申告すればそこで終了」ではなく数年後に税務署の調査が入る可能性があるので諦めて自宅近くの相続専門の税理士に相談することにしました。
(この相続財産ならワザワザ調査が入ることはない気はしたんですけどね…)

父の生前から相続に関してネットで調べまくってヘンに知識がついてしまったせいで税理士さんとのやり取りは僕が全面的にやることになったのですが、実際のところ(相続専門の税理士という職業柄か…)物腰が柔らかく、僕たち側でやる作業をとても分かりやすく説明してくれたんで税理士さんとのやりとりにはそれほど苦痛を感じることはありませんでしたね。
(相談や書類の受け取りなどもすべて自宅に来て対応してくれましたし)

そしてここから・・・
「戸籍や不動産の全部事項証明書やら住民票やらの原本」は相続税申告の際にすべて提出してしまうことから税理士さんに申告してもらうまでにそれらの書類が手続きに必要な「父名義のお金や株の移動」「不動産の名義書き換え(相続登記)」をすることになり、これが正直けっこう面倒な作業になりましたよ。

父の銀行預金口座のお金を移す作業は実際に銀行に行く必要があるので(僕は外出が苦手なので…)母に丸投げして、僕は「ネットや電話で完結する証券会社にある株式の移動」と「相続登記」の作業に取りかかることになりました。

特に相続登記は全く何も知らない状態からネットで情報を集めたので最初は大変で、税理士さんからも「今まで相続登記をご自分でやられた人はあまり居りませんでしたねぇ…」とか「うちの事務所には司法書士も居るんでこちらでやりますよ!(もちろん有料で♪)」って言われたんですが・・・
司法書士への手数料で5~10万円は取られるだろうから自分でやることにしましたし、事前にしっかり調べておけば素人でもできる作業なので皆さんもそういう事態になったのなら挑戦してみることをオススメします。
(僕が無職で時間に余裕があったことも大きな理由なんでしょうけど…)

具体的な相続登記の方法は・・・って、これはすでに大部分を忘れてしまったので書けませんけど、
ネットに必要書類や申請方法は分かりやすく山ほど載ってますし、申請書がある程度完成したら法務局で気軽にチェックしてもらえるのでそんなにハードルは高くない作業だと思います。
・・・ちなみに僕はたまたま「管轄ではない法務局」が近所にあったので電話予約後に母親と一緒に法務局に行き、そこで申請書のチェック(+登録免許税の計算結果の確認)をしてもらい、登録免許税分の収入印紙もそこで買ってから管轄の法務局宛てに郵送して相続登記をしました。



銀行預金や株の相続についても「父が亡くなったので相続手続きをしたいんですが…」みたいな感じで伝えれば、あとは流れに身を任せるだけでなんとかなると思いますよ。
(預金については母親にいろんな銀行に行かせて申し訳なかったですけど…)

・・・というわけで「生まれてはじめての財産の相続作業」が全て済んだ上で持っている書類を税理士に全部渡して僕たち側の作業は終了となりました。

税理士さんに支払った報酬は50万円くらいでしたので「この金額が高いか安いか?」と問われれば・・・もちろん考えるまでもなく痛すぎる出費でしたが、たぶん相続手続きをする税理士が受け取る報酬としてはそんなに高額ではないと思います。
(…ちょうど僕たちくらいの遺産額が「税理士報酬を一番負担に感じる層」だったんでしょうけどね)
パッと探した割には良い人に出会えて良かった…かな♪

それにしてもやっぱりネットがあると事前にいろいろ調べておけるから話がスムーズに進むんであらかじめ基礎知識を入れておくことの重要性は強く感じましたね。
税理士さんにも「本当にお詳しいですねぇ…こういった関係のお仕事されているんですか?」なんて言われましたし♪
(ただ…これを言われた後に母親がボソッと「調べる時間だけは山ほどありますからね…」って隣でつぶやかれたのに無職の僕はドキッとしましたけど…)

・・・あ、それと遺産の分割に関しては「遺産が多くない家庭でも家族間でモメる」なんてケースが意外と世間ではあるみたいですけど・・・
「僕たちはほとんどモメることがなかった。」どころかほとんど僕の独断で、相続人3人にそれぞれ「株 / 預金 / 家」という感じで分かりやすく一人ずつに割り当てて分割してしまいました。

本当は実家に寄生中の僕なんかが遺産分割に口出してあれこれ言うのは気が引けたんですが・・・
生前、父とは株について日頃からよく話をしていて(社会的ひきこもりで父親も話しかけづらい環境の中…)、
「もしお父さんが居なくなったら持ってる株は全部お前にあげるから…」って日頃からちょくちょく言われてたもんで株だけは僕が引き継いでおきたかったんですよね。
(ちなみに倒れる3日くらい前の最後の会話でもこれ言われました)

・・・でもまぁ、そんなこと書いておきながら・・・
実は父の持っていた株はすでに「現金欲しさに(…というか相続した株の含み損に耐えられなくて)」相続後すぐにすべて売ってしまったんですよね。
これに関しては少し心が痛んだんですけど・・・ほぼ証券会社の勧めで買っていた株でしょうし、銘柄は今でもチェックし続けているんでそれで「僕の心の中に居る父」には許してもらいます♪

とにかく今の時代に相続できる資産を遺してくれた父親に感謝しつつ、これから無駄な消費をせず近いうち日本に住む無職に100%訪れる極寒の時代に備えたいと思います。